たった17字で分かる あなたが「働く意味」

中学生が働く人にインタビューし、その仕事につけたキャッチコピー。そこに「働く意味」が映る

中学生が働く人にインタビューし、その仕事につけたキャッチコピー。そこに「働く意味」が映る

「人生100年」「生涯現役」といわれる時代。長い期間、生き生き働き続けるには新たな考え方やスキルを体得していく「学び」が欠かせない。働きながら学ぶ極意とは何か。リクルートワークス研究所の主任研究員で、キャリアに関する研修やコンサルティングに携わってきた辰巳哲子氏の連載をお届けする。

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職種の枠に収まらないキャリア選択の時代

近い将来、営業や事務、研究・開発といった「職種選択」ではないキャリア選択をする人が増えるといわれています。テクノロジーの進化につれて、職種で仕事を選んだとしても、その内容が急速に変化していくとみられるからです。

変化の激しい時代に働き続けるには、その変化を柔軟に受け入れる態度が必要です。一方、働くうえで「何を大切にするか」「何を実現したいか」といった、本質的であまり変わらない部分も持ち続けないと、生き生きと働き続けるのは難しいでしょう。そのためにも、自分のキャリアを自分でマネジメントする「キャリアオーナーシップ」がますます重要になってきます。あわせて読みたい「時間の無駄」と柳井さんが忠告 でも京大MBAへ70代まで働く時代に向け、40代でやるべき7つのことリクルートワークス研究所「5カ国マネジャー調査」(2015年)

日本と世界では、キャリアオーナーシップの考え方に大きな違いがあります。リクルートワークス研究所が2015年にまとめた「5カ国マネジャー調査」によると、日本では「キャリアは状況に応じて決まる」と答えた人が54.5%と過半数で、「キャリアは自分が決める」との答えは45.5%でした。一方、米国、中国、インドでは「自分が決める」と考える人が、ほぼ7割に上りました。つまり、日本では「自分で何かしなくても、会社に入って与えられた仕事をしていればよい。キャリアは会社が決めてくれるのだから、自分で学ぶ必要もない」と考える人が多いのです。

しかし、こうした状況も変わっていくでしょう。理由は3つあります。1つは、雇用が既に流動的になっていることです。以前は、一つの企業でスキルを蓄積すればよかったのですが、転機が増えれば、新たに学びなおす必要があります。

2つ目は平均寿命が延びたことです。健康で過ごすためにも、できる限り長く働くことが望まれます。新人、ミドル、シニアと、各ライフステージで求められる役割は変わり、新たなスキルが求められることでしょう。3つ目はテクノロジーの進化や人工知能(AI)の導入です。技術の進歩で、必要なスキルの変化が加速しています。スキルは急速に陳腐化しますから、柔軟に変化を受け入れながら学び続けることが必要になります。

今後は、特に若者を中心に、キャリアは自分で決めるという人が増えていくと考えられます。同じ職種で仕事を見つけたとしても、その中身は多種多様になり、自分の仕事は自分でつくる時代になります。では、私たちは何を軸に自分の仕事を決めればよいのでしょう。本質的で変わらないものは、どうすれば見つかるのでしょう? そのヒントになるのが、「職業や職種以外の言葉で自分の仕事を説明してみる」ことです。

中学生が考えた「仕事のキャッチコピー」

以前、リクルート社の社会貢献プログラムとして、中学生の職場体験を手伝ったことがあります。地元の企業で職場体験をさせてもらい最終日には「働くこと」について企業の方にインタビューして記事にまとめ、雑誌をつくるのです。インタビューのやり方は、リクルートの社員が教えたのですが、雑誌をつくるためにぜひ考えてほしいこととして、こんなお願いをしました。

「仕事のキャッチコピーをつけてください。その仕事が誰に何を提供する仕事なのか、17文字以内で」というものです。

生徒たちはインタビューしながら、キャッチコピーを一生懸命考えました。できあがった原稿をみると、「人生の先輩に恩返しをする仕事」(介護施設職員)、「日本人のために伝統をつないでいく仕事」(和菓子職人)、「お客様のために心の回復をはかる仕事」(ケーキ職人)など、大人では考えつかないようなシンプルな表現が並びました。

投稿者: 瑚心 すくい

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