幼保無償化に「3歳格差」 こども園、年数十万円差も

11月 30, 2019 未分類

10月に始まった幼児教育・保育の無償化を巡り、保育園と幼稚園の機能を併せ持つ認定こども園で「3歳児格差」の問題が浮上してきた。幼稚園は満3歳から教育費が無料だが、保育園は年度末まで保育料が有料だからだ。同様のサービスを受けながら年数十万円の負担差が生じ得る。縦割り行政の矛盾が保護者に不公平感を広げそうだ。

小学校入学前の子どもが通う施設には保育園、幼稚園、認定こども園の3つがある。厚生労働省所管の保育園は共働き家庭を想定し、0歳から1日11時間程度預けられる。片働き家庭が主の幼稚園は文部科学省の所管で、3歳から1日4時間程度通う。内閣府所管のこども園には両方の機能があり、0歳から1日4~11時間程度預けられる。受け入れ年齢や時間は園によって異なる。

幼保無償化は原則、0~2歳が住民税非課税世帯、3歳以上は全世帯が対象だが、3歳の取り扱いは特殊だ。保育園では「3歳児クラス(4月1日時点で3歳以上の子)」から保育料が無料、幼稚園では「満3歳(3歳になった日)」から教育費が無料になる。

例えば2020年5月生まれの子は23年5月に満3歳になるが、保育園では「2歳児クラス」に入るため、翌年3月まで保育料がかかる。幼稚園なら23年5月の途中から教育費が無料になる。

問題は同じ施設に幼稚園機能を使う子と保育園機能を使う子がいるこども園だ。幼稚園機能の子も、預かり保育(延長保育制度)を使えば保育園機能の子のように長時間預けられる園も多いが、親の負担には差が出る。

保育料は所得などで異なるが、2歳児クラスだと月3万~4万円が多く、例えば5月生まれなら年に30万~40万円程度の負担差が生じ得る。預かり保育に月1万円程度かかっても、幼稚園機能を使った方が得と考える親が出てきている。

九州のこども園では最近、4人が保育園機能から幼稚園機能に移った。園長は「同じサービスなら無料がいいと思うのは当然」と話す。愛知県のこども園の園長も「幼稚園機能を使いたいという親が急増している。保護者に不公平感が広がる」と懸念する。ただ施設ごとに定員があり、希望通りにいくとは限らない。

認定こども園は2006年から始まり、2015年の制度改正を経て全国約6千カ所に約80万人の子が通う。内閣府は3歳児格差について「幼稚園と保育園の制度設計の違いから生じたもので仕方ない」と話すが、専門家は「現状を調査し、扱いを保育園側に統一すべきだ」(日本総合研究所の池本美香主任研究員)と指摘する。(福山絵里子氏、天野由輝子氏)

投稿者: 瑚心すくい

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