考えるより動いてみる(1) マネックス証券社長 清明祐子さん

証券業界で女性の社長が相次ぎ誕生している。その一人がネット証券大手、マネックス証券清明祐子さん(42)だ。創業者で業界のカリスマでもある松本大さん(55)から今年4月にバトンを引き継いだが、臆することなく「攻めに出る」と明言する。考えるよりもまず動いてみるという積極性が真骨頂だ。

米国独立記念日の7月4日、米国株取引の最低取引手数料引き下げを発表しました。米国株に関心を持つ個人は多いのに、小口で投資すると最低手数料が負担でした。気軽に取引できるようにしたかったのです。

ネット証券大手で手数料の引き下げ合戦になり、最低手数料は各社でゼロになりましたが、米国株の取引全体が盛り上がりました。そのなかでも当社が先んじたことは忘れてほしくないですね。7月の外国証券口座の開設数は前月の2倍以上となり、取引量も高まりました。

マネックスは止まっていたという印象があると思います。新しいサービスの導入が滞っていましたが、苦労した基幹システムの内製化が終わり、ようやく顧客のニーズにあわせて柔軟に展開する素地が整いました。ここからは攻めていくしかありません。もともと強かった米国株で、まず勝負に出ました。

ネット証券ではSBI証券が口座数トップを走り、楽天証券も「楽天経済圏」といわれるグループ力を持つ。どう独自色を出すか問われる。

当社は創業から、個人のための証券市場にする努力を続けてきました。ネット証券で初めて新規株式公開(IPO)株を取り扱い、株券を貸して金利を得る貸株サービスも導入しました。少額から株式を買えるようにした単元株制度の流れも作りました。

個人の投資教育や銘柄選定ツールの提供など、上手に資産を運用するための支援の仕組みは優れています。顧客の資産が増えるとともに、当社も成長するようにしなければなりません。スマートフォン世代向けの新しいユーザーインターフェースのサービスを企画しています。買収した信託会社も活用し、財産管理や相続にも取り組みます。

ネット証券大手で初の女性社長といわれるが、本人や社員にそうした意識はない。

女性という側面を意識したり、男性と比較したりすることはありません。「女性社長としての苦労は」と聞かれると戸惑ってしまいます。「女性なので」という主張もないし、男性は女性に対してこうあるべきだという意識もまったくありません。

もちろん男性の多い金融界で、女性という視点で見られるのは理解しています。キャリアのなかで、女性ゆえのゲタを履いていた時期もあるでしょう。新卒で入行した銀行では成績で表彰されると「女性だから選ばれてラッキー」と言って、賞をもらっていました。使えるネタは人それぞれ。プラスに変えていけたらと思ってきました。

(証券部次長 松崎雄典がご担当)

 

 

投稿者: 瑚心すくい

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